

※事務所の近くに取った,微かに虹色に染まる雲でした。
先日,YouTubeで「中国人の日本在留資格について!」という動画を見ました。
日本育ちのユーチューバー,李姉妹さんが,中国人の在留資格や永住と帰化の違いについて話した動画です。
ビザ申請などは,外国人にとって当たり前のことですが,日本人からするとなかなか知る機会がないでしょう。少しでも興味を持ってもらうという意味で,とても有意義な動画だと思いました。
しかし,コメント欄にはこんな書き込みを見つけました。
「永住者の子供も、永住者になれるわけですね」
これは,勘違いです!
永住者の子供は,自動的に永住者になれるわけではありません。
断片的な情報だからこそ,誤解が生まれたわけですね。
「永住者の子供」の在留資格は大まかに分類すると,三つ挙げられます。
1.永住者の配偶者等
2.定住者
3.永住者
※細かくなりますが,前提は
・外国人同士の間の子供(日本人の子供ではない)
・親のどちらかは「永住者」の在留資格を持っていること
・実子(産みの子/Biological child)であること
この三つのことに満たす場合のお話です。
1.永住者の配偶者等
日本で生まれた場合は,生まれてから30日以内に,「在留資格取得許可申請」をして「永住者の配偶者等」の在留資格を取ります。
ポイントとなる条件は,「永住者の子供として」「日本で生まれた」という,この二つのことです。
「日本で生まれた」は分かりやすいかと思います。
「永住者の子供として」は少し分かりづらいかもしれませんので,例を挙げてみます。
- 生まれたとき親がまだ永住者ではなかった。そのあと永住権を取得した
→×
- 生まれたとき親が永住者だったが,そのあと永住者の資格をなくした
→〇
生まれたときの親の在留資格で判断が分かれます。
2.定住者
里帰り出産など,日本以外の国で生まれた場合は,子供が得られる在留資格は「定住者」になります。
また,日本で生まれたけれど,生まれた後に親が永住権を取得したケースにおいても,「定住者」に当たります。
海外で子供を産んで,その後日本で一緒に暮らすために行う申請は,「在留資格認定証明書交付申請」です。
※短期滞在から変更するケースもあり得ますが,ここでは説明を省略します。
就労ビザを持っていた親が永住者になった後に,子供の在留資格を「家族滞在」から「定住者」へ変える申請は,「在留資格変更許可申請」です。
3.永住者
赤ちゃんであっても,永住者になるためには,いろいろと審査されます。
扶養者である親の年収や,昨年から特に厳しくなった公的義務(納税などの義務)を果たしているかなど,普通の永住許可申請と同じようにチェックされます。
日本で生まれたら,「在留資格取得許可申請」で,「永住者の配偶者等」を取得する手続きがあることを,上の1.にてお話しましたね。
その時に,同時に「永住許可申請」をすることで,永住の要件に満たしていれば永住者になります。
つまり,
永住者の配偶者等になるための「在留資格取得許可申請」と,
永住者になるための「永住許可申請」
を同じタイミングに提出できるのです。
永住許可の条件に満たすと,「永住者」になります。
※その場合には,もう片方の「在留資格取得許可申請」の審査を止めてくれます。
永住許可の条件に満たしていないと,「永住者の配偶者等」になるでしょう。
もちろんその後,条件が揃えたタイミングに,再度「永住許可申請」にチャレンジしてもOKです。
以上のように,生まれた場所や,生まれたときの状況によって,子供の在留資格が変わります。