

※コロナウイルスの感染拡大前に取った一枚です。
渋谷スカイ(SHIBUYA SKY)から見渡せる夜景です。
こんにちは。行政書士の北山です。
在留資格「経営・管理」の更新について,よく聞かれることを2つ挙げてみました。
1.「今期の決算状況では赤字になりそうです。
ビザ更新は大丈夫でしょうか?」
2.「今は期間1年のビザを持っています。
黒字状態が続いているので,次回は3年もらえますかね?」
どちらも,「一概には言えません。」と答えられることが多く,そのひびきからして少しマニュアルっぽく聞こえますね。
経営・管理の更新では,単に赤字かどうかで判断しているわけではありません。
入国管理局が気にしているのは「事業の継続ができるかどうか」です。
決算状況のポイントを5つほど挙げてみました。
(専門用語はその先で、くわしく説明します。)
・赤字決算であれば,その理由は?
・黒字決算であれば,その中身は?売上額の増減や,営業利益と営業外利益などのバランスは取れているか?
・今期だけではなく,前期の状況と比較したらどのような変化があった?
・会社の貸借状況,資金調達の状況は?債務超過になっていないか?
・総合的にみて事業の存続が少し危ない場合には,今後の事業計画は?
専門用語が並んで分かりづらいかもしれませんので,もう少し具体的な例を挙げてみます。
【具体例1】
今期の決算状況
・やや赤字になる見込み
・利益剰余金(下記にて解説します)があったため,少し減るだけで,マイナスになる心配はない
→事業の継続性に問題がないと言えるでしょう。
キーワードは,「利益剰余金」です。
ここでいう「利益剰余金」とは,会社が内部留保しているお金のことです。
今までたくさん儲かったお金を貯めているので,このお金があれば,今は少し損しても問題なさそう,というような状況です。
2回目,3回目更新する方の場合,ぜひこの「利益剰余金」を確認しておいてください。
【具体例2】
今期の決算状況
・売上が少し減った
・営業利益が減った
・営業外利益が増えた
・最終的に黒字になる見込み
→事業の継続性に問題があるとは言えないですが,「安定性」はないと判断されるかもしれません。もう少しわかりやすくいうと,「この会社の経営状況はまだ不安定です」と判断されるかもしれません。
この場合,例えば1年の在留期間からの更新で,次も1年しかもらえない可能性が高いでしょう。
ここまで具体例を読んで,いかがお思いでしょうか。
決算文書を読んで会社の状況を分析できないと,経営者の資質が問われるかもしれません。
しかし,細かい分析や判断が難しいときには,税理士や公認会計士に聞くなど,専門家を活用することも大事だと個人的に思います。
ビザ更新のときには,今回ご紹介した「事業の継続性」以外にもたくさんのポイントがありますので,不安であればぜひ行政書士という専門家を活用してみてください。