
こんにちは。行政書士の北山です。
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受け,入国管理局での手続きについてさまざまな特例措置が設けられました。
人の行き来を少しずつ再開する中,「コロナのせいで一度ビザが切れてしまった。永住権申請に響きますか?」と不安になる方も少なくないでしょう。
今年の8月5日に法務省が,永住許可申請の継続在留要件の緩和措置を発表しました。
(継続在留要件とは,途切れることなく日本に在留していることを意味します)
「新型コロナウイルス感染症の影響により,再入国許可又はみなし再入国許可の有効期間内に再入国できず,一度在留が途切れた期間がある方が本邦入国後に改めて永住許可申請を行う場合において,以下に該当するときは,当分の間,『永住許可に関するガイドライン』との関係では,当該期間についても継続して本邦に在留していたものとみなします。」
該当する方は以下のように示しています。
「再入国許可又はみなし再入国許可の有効期間の満了日が、2020年1月1日から入国制限が解除された日の1か月後までであり,かつ,入国制限が解除された日から6か月以内に入国した方」
コロナの影響で再入国できなくて,在留期間が切れてしまった方の救済措置と言えます。
しかし,「切れても大丈夫ですよ」と安易に考えないほうが良いと思います。
なぜなら,通常の永住許可申請の審査では,日本への定着性が求められ,長期的に日本に離れた場合にその期間,頻度,理由が問われます。この点について,仮にコロナの影響があっても,変わることはないでしょう。
例えば,2019年2月にみなし再入国許可で出国した方で,2020年2月にみなし再入国許可の期限が来てしまった場合,そもそもコロナの影響前から長期的に不在だったため,日本への定着性があるかないか疑問が残ります。
コロナの影響があったとはいえ,いつ出国したか,なぜ出国したのか,具体的な状況によって判断が分かれるでしょう。 入国管理局が指定する「申立書」のほか,出国の経緯を説明する書類を添えたほうが良いでしょう。
